「四国お遍路、歩いてみたいけど、実際どうなの?」 「1,200kmも歩くなんて、修行僧じゃなきゃ無理でしょ?」
そんな風に思っている方も多いかもしれません。というか、2014年に出発する前の私が一番そう思っていました。
私は引きこもり気質の人間です。体力があるわけでも、信心深いわけでもありません。大学卒業後、なぜか「歩き遍路」という無謀な挑戦を選び、36日間かけて1,200kmを完歩しました。
結論から言います。歩き遍路は、ただの「スタンプラリー」ではありません。
足の皮が剥け、膝が笑い、不気味なトンネルに怯え、時には「排泄物のスカイダイビング」に絶望する(笑)。そんな泥臭く、予期せぬトラブルの連続です。
この記事では、私が36日間(+高野山)で経験した旅の「事実」と「データ」を、4つの県に分けてダイジェストでまとめました。
阿波から讃岐までの全行程ダイジェスト
徳島(阿波)編:発心の道場。形から入ろうとして、おばちゃんに一蹴される

旅の始まり。おっかなびっくり踏み出した一歩は、理想と現実のギャップから始まりました。
- 形から入るな?: 1番霊山寺で「公式装備」を揃えようとした私に、店員のおばちゃんが放った一言。「そんなんいらんで、これだけにしとき!」。これが有名な(?)「おばちゃんの『これ』リスト」との出会いでした。
- 初!遍路転がし(12番焼山寺): 健脚5時間、平均8時間の難所。寝不足と寒さの「二段構え」に震えながら、私は自分の甘さを知ることになります。
- 靴の寿命: 5日目にしてランニングシューズが限界に。徳島市内で新しい相棒(靴)を手に入れたことが、旅の運命を変えました。
(※焼山寺の急勾配で、私が何を思い、何を諦めかけたのか。そしておばちゃんに勧められた必要最低限の装備の詳細は、本編で詳しく紹介しています)
高知(土佐)編:修行の道場。40kmの孤独と、人間不信の夜

高知は、とにかく一つひとつのお寺が遠い。ひたすら続く「修行の道」で、私の精神は試されました。
- 1日40kmの壁: 「フルマラソン完走できそう」と思えるほど、身体が軽くなる日もあれば、一歩ごとに激痛が走る日もあります。
- 初対面の人は疑え!: 善意か、それとも……。12日目の夜に起きた「怒鳴り込み事件(?)」は、独り身の遍路にとって忘れられない恐怖体験となりました。
- 不気味なトンネル: 誰もいない山道で見つけた、明かり一つないトンネル。「精神世界」に突き抜けるような、あの白い光の感覚。
(※暗闇のトンネルの先で私が見た景色や、高知の厳しい道中で再会したおじさん遍路たちとの交流の詳細は、本編に凝縮しています)
愛媛(伊予)編:菩提の道場。水不足と、バイオトイレへの愛

愛媛に入ると、旅の過酷さは「物理的な限界」を迎えます。
- 深刻な水不足: 飲み水が尽き、死の危険を本気で感じた25日目。自動販売機を見つけたときの、あの震えるような感謝。
- スカイダイビング事件: 41番龍光寺付近での一幕。「う〇このスカイダイビングかよ……」と天を仰いだ惨事は、今では笑い話ですが、当時は人生最大のピンチでした。
- バイオトイレの革命: 45番岩屋寺で出会ったバイオトイレ。臭くない!汚くない!文明の利器にこれほど感動したことはありません。
(※私の尊厳が失われかけた事件の全貌や、60歳を超える元気すぎるおじさん遍路たちとの再会の物語は、本編で赤裸々に綴っています)
香川・高野山編:涅槃の道場。涙ちょちょぎれる結願

最後は香川。終わりが見えてきた安堵と、突然襲ってきた「心の筋肉痛」。
- 心配する両親: 33番あたりで、まさかの両親のお見舞い。嬉しいけれど、どこか気恥ずかしい再会。
- 涙の結願(けちがん): 88番大窪寺。自分でも驚くほど涙が溢れました。一歩一歩が、自分という人間を再構築する作業だったのだと気づいた瞬間です。
- 旅の終わり(高野山): 奥の院での報告。2014年、大学卒業後の私が、一人の「生存者」として社会に踏み出すための儀式が、ここで完了しました。
【付録】36日間・1,200kmの全行程マップ
(※各日のエピソードと人間ドラマの詳細は、Kindle本『歩き遍路 旅の記録。』にて全編収録しています)
徳島(阿波)編:発心の道場
- 1日目:1番 霊山寺 ~ 7番 十楽寺(おっかなびっくり開始。おばちゃんの喝!)
- 2日目:8番 熊谷寺 ~ 11番 藤井寺(人は見かけによらない。お年寄りパワー)
- 3日目:12番 焼山寺(初の「遍路転がし」。寝不足と寒さの洗礼)
- 4日目:13番 大日寺 ~ 17番 井戸寺(田舎のお婆ちゃんとはっさく。お接待に感謝)
- 5日目:18番 恩山寺 ~ 19番 立江寺(靴の寿命。新相棒との出会い)
- 6日目:20番 鶴林寺 ~ 22番 平等寺(下り坂に泣く膝。一歩一歩が激痛)
- 7日目:23番 薬王寺(足が折れる……と思ったが、意外と折れない)
高知(土佐)編:修行の道場
- 8日目〜9日目:自宅待機を経て、再び高知へ(いよいよ修行の本番)
- 10日目:24番 最御崎寺 ~ 26番 金剛頂寺(おじさん遍路さんたちと感動の再会)
- 11日目:27番 神峰寺(雨の40km。霧の山、神峰寺への険しい道)
- 12日目:札所なし(初対面の人は疑え!怒鳴り込み事件の記録)
- 13日目:29番 国分寺 ~ 32番 禅師峰寺(お寺を間違える失態。植物園を突き抜ける)
- 14日目:33番 雪蹊寺 ~ 36番 青龍寺(階段続きの青龍寺。浦戸大橋の恐怖)
- 15日目:札所なし(鈴をなくす。スカイラインの崖っぷち。宗教勧誘の罠)
- 16日目:37番 岩本寺(歩きお遍路史上、最大のピンチ。腹がやばい!)
- 17日目:札所なし(不気味なトンネル発見。精神世界への入り口)
- 18日目:札所なし(おじいさん遍路さんとの再会。1.6kmの長大トンネル)
- 19日目:38番 金剛福寺(フルマラソン完走できそうなほど身体が軽い)
- 20日目:39番 延光寺(いよいよ高知最後。ツバメの舞う宿)
愛媛(伊予)編:菩提の道場
- 21日目:40番 観自在寺(県境の山越え。愛媛上陸!)
- 22日目:札所なし(朝霧の山は怖い。武富士のポーズで転倒未遂)
- 23日目:41番 龍光寺 ~ 43番 明石寺(「う〇このスカイダイビング」事件の激闘)
- 24日目:札所なし(ただ歩く。それだけ。Googleマップの重要性を痛感)
- 25日目:44番 大寶寺(深刻な水不足。み、水……自販機への祈り)
- 26日目:45番 岩屋寺 ~ 47番 八坂寺(バイオトイレの革命。マムシへの警戒)
- 27日目:48番 西林寺 ~ 53番 円明寺(GWの洗礼。あまりの人の多さに驚く)
- 28日目:54番 延命寺 ~ 55番 南光坊(噂をすれば、なんとやら。「心の筋肉痛」の正体)
- 29日目:56番 泰山寺 ~ 59番 国分寺(区切り打ちでは足ができない理由)
- 30日目:60番 横峰寺 ~ 64番 前神寺(順番通りでなくてもいい。山登りの苦悦)
香川(讃岐)編:涅槃の道場
- 31日目:札所なし(迷子になりビビる。ビジネスホテルマイルドの温かさ)
- 32日目:65番 三角寺 ~ 67番 大興寺(天界に来たような景色。雲辺寺への登山)
- 33日目:68番 神恵院 ~ 76番 金倉寺(心配で両親が見にくる。ちょっと恥ずかしい)
- 34日目:77番 道隆寺 ~ 82番 根香寺(懐かしの再会ラッシュ。歩みの終わりを予感)
- 35日目:83番 一宮寺 ~ 87番 長尾寺(涙ちょちょぎれる……いよいよ明日で)
- 36日目:88番 大窪寺(いざ結願!帰るまでが遍路。36日間のフィナーレ)
- 最終日:高野山・奥の院(旅の終わり。弘法大師への報告)
【最後に】この旅の「続き」を読みたいあなたへ

36日間の行程は、ここに書いたダイジェストが全てです。でも、その一歩一歩の間で私が何を考え、誰と出会い、どう変わったのかという「血の通った記録」は、とてもブログ1記事には収まりませんでした。
もし、あなたが「一人の若者が1,200kmを歩いて何を見たのか」に興味を持ってくださったなら、ぜひKindle本を手に取ってみてください。
(※当時のFacebook投稿からブログ、そして本書へと、三度にわたって推敲を重ねた渾身の記録です)

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