
包丁を研ごうと思い立ったとき、まず最初に立ちはだかるのが「砥石の値段」の壁です。
安いものでいいのか、高いものにすべきか――。
この問いに悩むのは、何も初心者だけではありません。実際、私自身も最初は「とりあえず安いものでいいだろう」と手頃な砥石を選びました。けれど、使ってみると「あれ?」と思うことがいくつも出てきたのです。
・なぜかうまく研げない
・粒がバラついていて、刃に傷がつく
・削れるスピードが速いわりに切れ味が戻らない
こうした経験を通じて気づいたのは、砥石には「安さの理由」があり、高い砥石には「使いやすさの意味」があるということでした。
結論を先に言えば、すでに包丁を研いだことがある方なら「刃の黒幕」が一番おすすめです。ですが、なぜそう言い切れるのか? この記事では、「安い砥石と高い砥石の違い」「番手の選び方」「買い替えのタイミング」など、砥石選びで迷いがちなポイントを順を追って解説していきます。
疑問点まとめ
安い砥石と高い砥石の違いは?
安い砥石と高い砥石の違いですが、安い砥石の悪いところを簡単にまとめておきます。
- 途中でだまが出てくる
- 研げる面積が狭い
- すぐ削れる
- 思ったよりも研げない
安い砥石は、減ってくると途中でだまのような大きな粒が出てきたり、粒が一定じゃなかったりします。大きな粒が研いでいる刃に当たるとその部分だけ凹んだり最悪かけたりするので良くないです。
また、安いものはすぐにすり減る割に研げないことが多いです。
砥石の裏表は?
砥石は細かい粒の集合体なので表裏は関係ないです。
文字が印刷されているようなものは、文字が印刷されていない面から使用するといいと思います。
砥石の番数は?
砥石の番数は数字が少ないものほど荒いです。
家の包丁を研ぐのであれば、#300と#1000があれば問題ないです。それ以上の番数になるとうまく使わないとすぐに切れなくなるので、#1000か#2000ぐらいで止めておいたほうが無難です。
砥石の値段って高くない?
砥石の値段は高いです。特に、番数が多いものはそれだけ高いです。
ただ、#4000以上になってくると違いがわからないですし、よっぽど包丁の扱いが上手くないと使いこなせません。研ぐのも難しいです。
初心者の人はそこまでの番手の砥石を購入する必要はないでしょう。
安いのと高いのどっちを購入したらいいの?

包丁を研いだことがなく初めて砥石で包丁を研ぐという人は、表裏の番数が違う安い砥石でいいと思います。
初めて包丁を研いでみると、まっすぐ研げなかったり、砥石を削るだけで包丁が切れなくなったりと、失敗することが多いです。高いもので練習するともったいないので、安いものである程度研げるようになってから高いものを購入したらいいと思います。
やすい砥石は、練習用と思って削り切るぐらいの考えでいいでしょう。

砥石はいつ買い替えたらいいの?
包丁が研げるようになってくると、だんだん安物じゃ満足できなくなってきます。
- 水の吸収が早すぎるし浸ける時間が長い
- もう少し長さや幅があったらな
- 途中で異物が入っていて刃がかけるのはやめて欲しい
- 砥石内の糊で刃が滑る
- 砥石の端が欠ける
- 番数の低いものが欲しい
研いだことがないと見えてこない違いというものがわかるようになってくるので、そうなってくると良い砥石を購入したほうがいいでしょう。
また、削りすぎて軽くなり研いでいるときにガタガタしてきても買い替えですね。よっぽど研がないとなくならないので、心配しなくて大丈夫だと思います。
オススメの砥石は、刃の黒幕
ケースに入っている


ケースに入って届くので、砥石が欠ける心配もないです。
このケースは研ぐときの土台にもなるので便利です。
サイズが違う

普段使っている安い砥石とはサイズが違います。
包丁を45度にしたときに幅が短いと研ぎにくいのですが、刃の黒幕は幅が広いので研ぎやすいです。
予め水につけておかなくていい
刃の黒幕は、予め水につけておく必要がないので、研ぎたいときにすぐに研げて便利です。
購入する番数は?

自分が購入している番数は3種類で「#320(青)」「#2000(緑)」「#5000(ピンク)」です。
#320
包丁の刃が欠けているときは、#320ぐらいでまず欠けを直しましょう。
#1000以上の砥石で欠けを直そうとすると、よっぽど長い時間研がないと直りません。欠けが直らないことには切れ味を回復させられないので、荒い砥石を1つ持っておくといいです。

#2000
#1000でもいいのです。
基本的に砥石で研ぐときは、順当に番数を上げていくのですが、慣れてないとけっこう難しいです。なかなか効果を実感することもできません。
したがって、欠けが直ったら#2000ぐらいの番数で仕上げしましょう。これだけでかなり切れ味が良くなります。

#5000
こちらは仕上げ用です。刺身包丁や魚をさばく包丁を研ぐときに使ってます。
普段使用している包丁をこの砥石で研ぐと、包丁がすぐに傷んで切れ味が落ちるのと、研いだすぐは切れ味が良すぎて指を切ってしまいがちです。
普段の包丁はそこそこの切れ味を維持しておくといいと思います。

面直し用砥石
砥石で研いだ後は、砥石同士で研いで面直ししておきましょう。平面じゃないとうまく包丁を研げません。
また、砥石を1個しか持っていない場合は、修正用砥石を持っておきましょう。

砥石同士をすり合わせてもいいのですが、砥石同士がくっついて離れなくなります。修正砥石だとその心配がないです。
また、値段が高いですが、シャプトンの空母が広くて使いやすそうです。

他の砥石は?
ALTSTONE 「深 FUKAMI」

シャプトン RockStar

あとがき
包丁の刃を下にして食洗機で洗ったりすると欠けたりして切れ味がすぐに落ちますし、柄の部分も劣化が早いです。包丁は手で洗って水滴を拭き取ってすぐに片付けるようにすると切れ味を維持できるので、そのようにしましょう。
また、砥石を購入するときは荒いのと細かいのと2つの砥石は持っておきたいところです。互いに面直しもできますしね。
砥石で研ぐのがめんどくさいという人は、シャープナーを購入したほうがいいでしょう。シャッとすれば切れ味を回復できますし、場所も取りません。

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