学校で黒板に書かれた内容をノートに写すとき、多くの人はノートやルーズリーフを使っているのではないでしょうか。
けれど、途中で間違えて訂正を入れたり、矢印を書き足したり、図を加えたりしていくと、文字や図の配置がごちゃごちゃになってしまい、見た目に不満を感じたことはありませんか?
そんなとき、いっそノートではなくコピー用紙に書いてしまう、という方法があります。まずはコピー用紙に思うがままに書き出し、あとできれいにまとめたくなったらノートに清書するのです。
「それって二度手間じゃないの?」と思われるかもしれません。
確かに、手間はかかります。でも、そこにこそ意味があるのです。少し考えてみましょう。
コピー用紙は意外と安い
B5サイズのノート5冊でおよそ400円。一方、A4サイズのコピー用紙1束(500枚)は、だいたい500円ほどします。
値段だけを見るとコピー用紙の方が高いように感じますが、枚数を比較してみましょう。
- B5ノート:30枚×5冊=150枚 → 1枚あたり約2.67円
- A4コピー用紙:500枚 → 1枚あたり1円
1枚単価で見れば、コピー用紙のほうが圧倒的に安いのです。半額以下です。
そしてA4というサイズも絶妙です。クリアファイルにきれいに収まり、整理しやすく見た目もスマートです。


あえて「二度手間」をする意味
ノートに一度書いて終わり、という場合、その後に見返す機会は意外と少ないのではないでしょうか。
しかし、コピー用紙に一度書き出し、それをもとにノートにまとめ直す。このプロセスを通すことで、以下のようなメリットが得られます。
- 授業の復習が自動的にできる
- どこにどう書くかを考えることで理解が深まる
- 焦らず丁寧に書ける
- 単元ごとに整理しやすくなる
- 白紙に書くことでバランス感覚が養われる
- 急にノートが必要になったとき、ロッカーに入れておいたコピー用紙で代用できる
もちろんデメリットもあります。
- 時間がかかる
- 紙ごみが増える
- 結局ノートにも書くならコストが上がる
こうして書き出してみると、確かにやや「弱い賛成」といったところかもしれません。
でも、大事なのは「手間をかけること」で理解が進むという点です。
数学の勉強にこそおすすめ
この方法は特に数学の勉強に適しています。
- 白紙に書くことで、記述試験の練習になる
- 確かめ計算は紙の隅に気軽に書ける
- 途中式や別解を自由に展開できる
- 清書時に必要ない部分を省くことができる
- 最低限のことだけをノートに残せる
- 罫線がないので自由にレイアウトできる
数学は「書いてなんぼ」です。ノートに無理やり詰め込んでも、あとで見直すと混乱してしまうことが多いでしょう。その点、コピー用紙に一度整理せずに書き出しておくと、あとでノートにまとめるときに必要な情報だけを選び取ることができます。
さらに、清書されたノートは自分の弱点や注意点が反映された、まさに「自分専用の参考書」となるのです。
テスト前に差が出るノートとは
試しに、テスト前に授業中に書いたままのノートを見返してみてください。そこにあるのは、ただの「板書の写し」ではないでしょうか。どこが大事なのか、どこが自分にとって理解しにくかったのか――それが見えてこないのです。
それもそのはずです。そのノートは、先生が「ここがポイントだ」と言った箇所であって、自分にとってのポイントではないからです。
一方、コピー用紙を使って一度整理し、清書したノートであればどうでしょうか。
- わかりにくかったところには目印が付いている
- どの公式を使うのかがすぐにわかる
- 別解や途中式も、自分が理解できる形で書かれている
テスト前に役立つノートとは、まさにこのような「自分で作り直したノート」なのです。
「最初からうまく書けばいい」…?
「最初からポイントも含めてノートにまとめればいいじゃないか」と思われるかもしれません。
確かに、それができる人は教科書を自力で読み解ける人でしょう。そして、きっと一発で完成度の高いノートを書き上げてしまうはずです。
けれど、この方法は、そういう人のためのものではありません。
授業中だけでは理解が追いつかない人。ノートを見返しても内容がつかめない人。やる気が起きない人――そういった人にこそ向いている方法です。
たとえ「やる気」がなくても、「きれいに書きたい」という気持ちがあれば、それだけでも十分です。書いているうちに「なぜここにこういう式があるんだろう?」と、自分の頭で疑問を持つようになれます。その小さな疑問こそが、理解への第一歩なのです。
あとがき
ノートに清書する前に、コピー用紙に自由に書き出してみる。
このひと手間が、理解を深め、自分にとって意味のあるノートを生み出してくれます。どんなに効率が悪く見えても、「自分で考えて書く」ことに価値があるのです。
とにかく書く。まずはそこから始めてみませんか。
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